事故を防止する運転方法とは
「認知」と「判断」のミスが要因の交通事故がほとんどだということは、「認知」「判断」を適切におこない、ミスをなくすことができれば、交通事故のほとんどを防止できるということになります。
2019年の交通統計を見ると、「人対車両」「車両相互」「車両単独」のうち、最も多いのは「車両相互」で85.3%を占めます。
「車両相互」の交通事故の内訳のうち、最も多いのは「追突事故(33.1%)。次に多いのは「出会い頭の事故(25.2%)です。
「追突事故」と「出会い頭の事故」が多いのは、毎年同じ傾向にあります。
「追突事故」を防止するにはどうしたらよいでしょうか。
「追突事故」を防止する運転
「車間時間を3秒以上とる」
埼玉県警が推奨している「0102運動」をご存知でしょうか。
バスやトラックに貼られているステッカーを見たことがあるかもしれません。
『0102運動』とは、前の車との安全な車間距離を「何メートル」ではなく「何秒」と時間(秒)でとらえることです。
前の車が道路上の目標物(電柱・標識等)に差し掛かったときに「ゼロ・イチ・ゼロ・ニ」と数えはじめ、「ニ」の時に自分の車が同じ位置に到達すれば、安全な車間距離(2秒)だとわかります。
また、赤信号から青信号にかわり動き出す際にも、前の車が発車してから「ゼロ・イチ・ゼロ・ニ」を数えてから発車すれば、安全な車間距離を確保できます。
なぜ0(ゼロ)がつくのかというと、人は時間を数えるときに早くなったり遅くなったりします。0(ゼロ)を数えることで、おおよそ実際の時間にあったタイミングで数えられるといいます。
でもなぜ2秒なんでしょう?
下の表をご覧ください。
車が停車するまでの距離と時間の表です。
空走距離とは、認知してからブレーキを踏むまでの間走る距離のことです。
制動距離は、速度や路面状況などによりますが、
ブレーキを踏んでから静止するまでの距離です。
時速60キロメートルで走行している場合、2.6秒です。
あれ?車間時間が2秒だと0.6秒足りないですね。
0.6秒の間に衝突してしまいます。
2秒が安全な車間時間なのは時速40キロメートルまでです。
一般道(制限速度60キロメートル)で安全な車間時間は最低3秒必要だとわかります。
そして高速道路では4秒以上の車間時間が安全な距離だといえます。
注意していただきたいのは、これはあくまで計算上の時間だということです。
疲労や悩み、視界不良など様々な要因で認知する時間が遅れ、空走距離が延びることがあります。一般道でも3秒なら安全というわけではなく、認知時間の遅れを考慮して4秒以上車間時間をとり、ゆとりを持った運転が交通事故防止に望ましいといえます。
「追突事故」を防止する運転方法のまとめ
車間時間を3秒以上とること
「出会い頭の事故」を防止する方法
「停止線で必ず止まる」
こんな基本的なこと?と思うかもしれませんが、一時停止の停止線の手前できちんと止まる車をほとんど見かけないのも事実です。
停止線で停止しても左右の状況は見えません。だから停止線を超えて見えるところで停止して確認をしている方が多いのではないでしょうか。
「出会い頭の事故」の多くは、信号のない交差点で、脇道から優先道路に進入する場合に起きます。特に多いのは自転車との事故です。
先程のように、停止線を超えて見えるところで停止した場合、自転車と一気に出くわしてしまいます。ルールを無視して右側通行で走行してくる自転車もいるかもしれません。
まず、停止線の手前で止まり、その後見通しの良いところまで少しずつ徐行して停止・確認して走行します。
停止線の手前で止まることで、自転車やバイク、歩行者をやり過ごすことができます。
車頭を少しずつ見せながら優先道路に進入することで、自車の存在を知ってもらうことができます。
停止線で止まらなくても徐行でいいのでは?と思うかもしれませんが、徐行と一時停止では確認できる情報量が2倍ほど違います。
「出会い頭の事故」を防止する運転方法のまとめ
一時停止の停止線で一時停止した後、見通しが良いところまで少しずつ徐行し、再度一時停止て安全確認をする
交通事故が発生する要因とそれを防止する運転方法をみてきました。
「車間時間3秒」「停止線で必ず停まる」といった運転行動を習慣化させることが大切です。