交通事故を起こそうとして起こす人はいないはずです。
ですが、2020年の交通事故の件数を見ると、なんと30万9,178件もあります。
これは毎日847件の交通事故が発生している計算になります。
多いですよね。他人事とは思えない数字です。
なんで交通事故は起きてしまうのでしょうか?
運転行動の3要素〜「認知」「判断」「操作」〜
一般的に運転とは、「認知」「判断」「操作」という手順を踏んで、ずっと繰り返しています。
認知
視覚・聴覚などによって周囲の交通状況における異常や危険を見つけ、認識すること
判断
認知した結果に対してどのような行動をとればよいのか決定すること
操作
その判断に従って運転操作を実行すること
交通事故は「認知」「判断」「操作」のどれかにミスがあったときに発生すると言われています。
認知ミス
異常や危険を発見するのが遅れた
判断ミス
異常や危険を発見したが衝突相手の行動に対する判断を誤った
操作ミス
正しい判断の後に操作上の誤りをした
交通事故の要因は、このどれかに該当すると言います。
では、交通事故の要因としてどれが一番多いのでしょうか?
交通事故の要因で最も多いのは「認知ミス」
交通事故の要因は「認知ミス」が、事故全体の約75%を占め最も多くなっています。
認知ミス
異常や危険を発見するのが遅れた
どのような運転かと言うと、
「確認不足」「思い込み」「ぼんやり」「発見の遅れ」などです。
認知ミスが要因の交通事故では、どのような事故が多いのでしょうか。
1.「出会い頭の事故」
2.「右直事故(右折車両と対向直進車両の事故)」
これらの交通事故の主な要因としては「ぼんやり」「思い込み」が全体的に共通して多く、一番多いのが「見ようと思えば見えていたのに見なかった」ミスです。
例えば、
・本線を走行しているとき、交差する道には一時停止標識があり、いつも相手の車が一時停止するから確認する必要はない。(思い込み)
・交通量の少ない道で、めったに車がやってこないから、安全確認をしないで走行した。(確認不足)
次に多いのが、「見通し不良」です。
例えば、
・「建物や樹木の陰等のため見えない」
・「雨や霧のため見えない」
といった、「見ようと思っても見えなかった」ミスです。
「認知ミス」の次に多いのは「判断ミス」による事故
「判断ミス」は事故全体の約17%を占めます。
その中でも
・「交差道路には誰もいないだろう」
・「自分の進路を妨げる者はいないだろう」
・「他者の信号無視はないだろう」
といった「思い込み」が主な要因です(全体の60%)。
自分の都合に良い判断や予測をしているのも要因の一つです。
「交差道路には誰もいないだろう」ではなく「交差道路には誰かいるかもしれない」という安全志向の判断・予測、いわゆる防衛運転に心がけることが大切です。
「認知できなかった対象」の存在を予測する習慣や能力が事故を回避するのに必要なことです。
「操作ミス」による事故は非常に少ない
「操作ミス」による事故は非常に少ないです。
要因としては、
・運転技量不足
・慌て、パニック
・飲酒
・運転操作に対する過信
・居眠り
があります。